2011年クラシック初日の清水盛三

記念すべきブログ初投稿を何にしようかアレコレ迷ったのだが、ふと今年のバスマスタークラシックの時に撮った動画が未整理のまま放ったらかしになっているのを思い出した。

ミシシッピ川の河口域=ルイジアナデルタで2月に開催されたクラシックである。

今回のクラシックでは、日本の清水盛三選手がB.A.S.S.参戦10年目にして初出場を果たしたわけだが、幸運にも、自分は試合初日に清水選手と同船することができた。

ここにアップした動画は、その時スチール撮影の合間にチョイ撮りしたもの。
クリップをつないだだけでまともな編集をしていないのだが、音楽などつけるよりかえって現実味があってイイのではないかと、あえてそのままにした。
いわゆるRAWビデオってヤツです。

先日放送された関西テレビの「ザ・ヒット」のほうでも(自分は観れていないのだが)、あるいはB.A.S.S.の番組やオンラインストリーミングにおいても、初日の盛三選手の実釣シーンというのはほとんど流れなかったのではないか、と。
なにしろ半径数kmには自分たち以外ワニしかいなかったので・・・。
そういう意味では貴重な映像かもしれない。


どうだろう?
ビデオの前半、盛三選手の緊張が伝わってこないだろうか?

後半でアワセから一連が撮れている魚は、手元の取材メモによると、午後1時にキャッチした7尾目のキーパーになるようだ。
重さは750g。入れ替えに成功して、推定リミットウエイトが約3,800g。
ビデオの最後で、抜き上げ後に雄叫びをあげている魚は、この日のキッカーとなった8尾目。

釣りの詳細についてはすでにBasser誌のほうに書いたので、ここでは省略させていただく。
まだ読んでない方は急いで釣具店にダッシュしてください。
運が良ければ、まだ売れ残ってるかもしれません。
おそらく書店にはもうないでしょう。

しかし、こうして自分のブログに、撮影した動画をアップして、それを日本の皆さんに観てもらえるというのは個人的に実は感慨深いものがある。

というのも、こういうことをヤリたい!と真剣に考えていた時期というのがあって、ちょうど2003年あたりが気持ち的にピークだったのだけれど、もうかれこれ8年も前の話。
実はウェブサイト(当時はまだブログは一般的ではなかった)のタイトルやロゴデザインを決める段階まで進んでいたのだが、結局、実現には至らなかった。

いくつか問題があって、そのひとつは当時のアメリカのネット環境が動画をアップロードしたりできるような状態ではとてもなかったということ。
取材中はレイクに近いモーテルないしホテルに泊まるのだが、当時はまだ「ハイスピード・インターネット」なんてものはなくて、ダイヤルアップ接続だった。
だから、動画どころか、雑誌に使う高解像度のデジカメ画像なんかも送るのがたいへん。
要は物理的にムリだったのだ。
アメリカからダイレクトに動画を配信するというアイデアそのものが。

ところが、今はアメリカ中どこへ行っても、ホテルにハイスピード環境が整っている。
アラバマの田舎の、釣り客以外誰も来ないような小さな町のモーテルでさえWiFiが使える。
ちょうどオバマ大統領になった頃だから、2008年前後だろうか。
その頃に一気にアメリカ中のホテルや公共施設のネット環境がハイスピード化した。
最初は有料のところが多かったが、今は有名観光地を除いてたいていタダになっている。
今年からはマクドナルド全店舗で無料のWiFiが使えるようになった。

2008年にアメリカのバブル景気が弾けて以降、あれほど盛り上がっていた米国プロツアーも今ではすっかり元気がなくなっているが、どこからでも動画配信が可能な高速ネット環境が今頃になって整ったというのはなんとも皮肉な話である。
こういうのを運命と言うのでしょう。

ちなみに、当時ウェブサイト立ち上げを諦めたのには、ネット環境以外にもうひとつ大きな理由があったのだが、すでに文字数が多くなってしまったので、その話は次回ということに。